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第14章 『魔性』

「なっ…」


宏実はショックからか、目を見開き、俺のシャツを掴んで皺寄せる。


麻里は宏実をジッと見ているが、その目付きがどことなく生前の兼子に似ている気がした。


正に…女の戦いになった。


「それに…少しずつ意識を取り戻して来て、容態も安定していたのに、急変したって…お医者さんも不思議がってましたけど…」


宏実は負けじと麻里を睨み付け


「どういう…意味？」


「お心当たりはご自身の胸に聞いてみて下さい」


麻里はキッパリと言ってのける。