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『間違い』電話
第15章 『連鎖』
俺の目付きに何かを察したのか、宏実の顔が思いっきり歪み


「私じゃ…ないわよ…元々は小林麻里が…兼子を…」


「え…麻里が?」


確かに事故の現場検証で麻里は、色々聞かれたみたいだが…


「私より先に病院に来てたのは…小林よ!」


警察は俺の顔をチラリと一瞥して


「お話は…署の方で…」


小さく囁いて、宏実をパトカーに誘導する。


「や…その前に…しなきゃいけない事があるのよ…」


逃げようとする宏実に警察は


「お話を聞いたら、直ぐに家にお帰り願いますので…」


眼光の鋭い警官が、丁寧な言葉だけど有無を言わせない感じで宏実を誘導する。


宏実はガックリと項垂れて…肩越しに俺に振り向いた。


「賢さん…CDーR…送って来たの…誰?」


「宏実…」


「こちらへ…」


泣きそうな顔で…
残していった…


宏実の…最後の…


言葉だった…。



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