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『間違い』電話
第1章 『間違い』電話
『宏…実…じゃ…ない……』
今直ぐには現実を受け止め切れないのだろうか?
電話を掛けたのも…かなりの思いだったかもな。
「はい…すみませんが」
謝らなくてもいいのに、何だか少し可哀想になった。
『あっ…えっ…間違いました…。私…電話、間違って…すみません!』
やっと状況を受け止められたみたいだ。
「いえ…では、失礼します…」
通話を切ろうとしたら
『すみません!すみません!ごめんなさいっ!』
耳元から離しても、聞こえるくらい必死に謝ってくる。
「分かって貰えたので…では…」
『あ…すみま……プツ…ツーツー』
彼女の悲痛な声が、途絶えた。
掛けた相手が違うと、分かって貰えたら良かっただけだ。
でも…何だか…無性に後味が悪い…。
無意識に口を付けたカップの中身は、空だった…。
今直ぐには現実を受け止め切れないのだろうか?
電話を掛けたのも…かなりの思いだったかもな。
「はい…すみませんが」
謝らなくてもいいのに、何だか少し可哀想になった。
『あっ…えっ…間違いました…。私…電話、間違って…すみません!』
やっと状況を受け止められたみたいだ。
「いえ…では、失礼します…」
通話を切ろうとしたら
『すみません!すみません!ごめんなさいっ!』
耳元から離しても、聞こえるくらい必死に謝ってくる。
「分かって貰えたので…では…」
『あ…すみま……プツ…ツーツー』
彼女の悲痛な声が、途絶えた。
掛けた相手が違うと、分かって貰えたら良かっただけだ。
でも…何だか…無性に後味が悪い…。
無意識に口を付けたカップの中身は、空だった…。