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蜜会…五月雨
第3章 春の揺れ
 11

「じ、じゃぁねぇ……○○ホテルに13時に待ってるわ」

「あ、うん…」

「先にチェックインして待ってるわね…」

「う、うん」

「着いたらLINEして…」

「わかった」

『○○ホテル』
 そこは、夫から誘われたイタリアンレストランの目の前のホテル…

 だから、ワザと、そのホテルにした…

 心の騒めきと揺らぎが、そう囁いてきたのだ。

 もうわたしは、この流れから逃げないことにした…

 そう…もがき、泳ぐ―――


 そして…

 春の終わりを…

 季節の変わりを待つの…

 春が終われば…

 新しい季節を迎えれば…

 それだけが、救いだから。


 わたしは、チェックインをし、部屋番号をLINEし…

 彼、颯太を待つ。


 部屋の窓からは、春の穏やかな日差しが差し込み…

 遥かな高層ビルが…

 霞んで見えていた―――


 
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