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シアター"名画座"で逢いましょう
第1章 シアター"名画座"
白く細い指…
けれども、手の甲はカサカサで佳純に指摘されたように潤いがなく、まるで40代のように艶がなかった。
「男のザーメンを体に取り込んでいないんでしょ?
アレを呑むのを嫌がる女は多いけれど、ザーメンってさ、良質の蛋白質なのよ」
コラーゲンを呑むよりも絶対にお肌にはいいんだからね
そう言って佳純は自分の手を日菜子に見せつけた。
『綺麗…』
女の日菜子の目からしても、佳純の手は色艶があり、思わずしゃぶりつきたくなるほどの艶かしさがあった。
自慢気に手のひらを日菜子に見せつけた佳純だったが、彼女とて、夫とはずいぶんとセックスレスで、ありとあらゆるコラーゲンサプリを試して、なんとか手の甲の艶を維持していた。
「でも…夫は外に女を作って、私とセックスしてくれないんだからアレを呑むことさえままならないわ」
日菜子は、こうして年老いていくんだわと自暴自棄になっていた。
「別に旦那のザーメンでなくてもいいじゃん」
「えっ?」
不倫…しろって言うの?
「旦那が好き放題してるんだから、日菜子が耐えるなんて可笑しいわ、目には目を不倫には不倫よ」
「ムリムリ!私、不倫なんてする勇気がないわ
それに、私、内気だから男の人と出会う機会もないし…」
「いいわ、私があんたにとびっきりの場所を教えてあげる」
そう言って佳純はスマホを操作して画面を日菜子に見せてくれた。
それはどこかの店のホームページのようだった。
「これって?…」
画面には『名画座へようこそ』と言うピンク色の文字が踊っていた。

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