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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第109章 生贄のプロローグ ―汚されたルージュ、奈落への署名―
重厚な扉が閉まり、完全に遮断された密室となった応接室の中で、鬼頭はソファに深く腰掛け、澪をねめ回すように見つめた。社内では「澪くん」と呼んでいたものの、この二人きりの空間では、鬼頭は隠すことなく支配者としての顔を覗かせる。
「さて、澪。時雨崎くんとの一夜について聞かせてもらおうか。その若造ホテルマンともセックスしたんだろう? 仕方なく抱かれたとはいえ、素敵な一夜だったんだろ?」
時雨崎とのことは雄一には内緒にしてほしいと鬼頭にお願いをした経緯もあり、鬼頭はすべてを把握している。その鬼頭から、嬲るようにその事実を突きつけられた。澪は羞恥と屈辱に身をすくめ、俯きながら消え入るような声で答えた。
「……はい。時雨崎さんには、その……とても、激しく抱かれました。仕方なかったとはいえ……抵抗できませんでした」
「ふっ、それでいい。私の愛人でありながら、他の男たちに蹂躙されていく……それこそが、君という至高の道具を最も美しく磨き上げ、使いこなす方法なのだからな」
鬼頭の口から流れるように吐き出されたその言葉は、どこか知的でスマートな響きを帯びていたが、だからこそ、その本質にある絶対的な冷酷さが澪の胸に鋭く突き刺さった。
お前は「道具」だ――。 その容赦ない事実を、面と向かって告げられた澪の胸中に、ドロドロとした暗い屈辱が広がっていく。 自分には、愛する夫がいて、可愛い一人娘がいる。鴫原澪という一人の女性として、妻として、母としての尊厳があるはずだった。それなのに、目の前の絶対的な権力者は、彼女の身体だけでなく心さえも、単なる都合のいい「物」としてしか見ていない。 「あらゆる男に蹂躙されること」が、自分という道具を「磨き、使いこなす方法」だと言い放つ鬼頭の歪んだ支配欲。最愛の雄一を裏切り、心のない男たちの欲望のはけ口として身体を差し出し続ける日々。そのすべてが、プロジェクトを円滑に進めるため、あるいはこの男の歪んだ愉悦を満たすためだけに消費されているのだという耐えがたい現実に、澪の全身は凍りついたように震えた。 怒りと、あまりの悲しさに叫び出したい衝動が喉まで出かかったが、ここで声を上げれば、自分の家族の平穏は一瞬で崩壊する。その恐怖が、澪のすべての反抗心を力ずくで押さえつける。澪は拳を固く握りしめ、ただただ押し寄せる絶望の波に身を委ね、心の中で静かに血の涙を流すしかなかった。
「さて、澪。時雨崎くんとの一夜について聞かせてもらおうか。その若造ホテルマンともセックスしたんだろう? 仕方なく抱かれたとはいえ、素敵な一夜だったんだろ?」
時雨崎とのことは雄一には内緒にしてほしいと鬼頭にお願いをした経緯もあり、鬼頭はすべてを把握している。その鬼頭から、嬲るようにその事実を突きつけられた。澪は羞恥と屈辱に身をすくめ、俯きながら消え入るような声で答えた。
「……はい。時雨崎さんには、その……とても、激しく抱かれました。仕方なかったとはいえ……抵抗できませんでした」
「ふっ、それでいい。私の愛人でありながら、他の男たちに蹂躙されていく……それこそが、君という至高の道具を最も美しく磨き上げ、使いこなす方法なのだからな」
鬼頭の口から流れるように吐き出されたその言葉は、どこか知的でスマートな響きを帯びていたが、だからこそ、その本質にある絶対的な冷酷さが澪の胸に鋭く突き刺さった。
お前は「道具」だ――。 その容赦ない事実を、面と向かって告げられた澪の胸中に、ドロドロとした暗い屈辱が広がっていく。 自分には、愛する夫がいて、可愛い一人娘がいる。鴫原澪という一人の女性として、妻として、母としての尊厳があるはずだった。それなのに、目の前の絶対的な権力者は、彼女の身体だけでなく心さえも、単なる都合のいい「物」としてしか見ていない。 「あらゆる男に蹂躙されること」が、自分という道具を「磨き、使いこなす方法」だと言い放つ鬼頭の歪んだ支配欲。最愛の雄一を裏切り、心のない男たちの欲望のはけ口として身体を差し出し続ける日々。そのすべてが、プロジェクトを円滑に進めるため、あるいはこの男の歪んだ愉悦を満たすためだけに消費されているのだという耐えがたい現実に、澪の全身は凍りついたように震えた。 怒りと、あまりの悲しさに叫び出したい衝動が喉まで出かかったが、ここで声を上げれば、自分の家族の平穏は一瞬で崩壊する。その恐怖が、澪のすべての反抗心を力ずくで押さえつける。澪は拳を固く握りしめ、ただただ押し寄せる絶望の波に身を委ね、心の中で静かに血の涙を流すしかなかった。

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