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愛と犠牲の果て~人妻を堕とす愛人契約~
第110章 深き夫婦愛、生贄妻を見送る夫
18時を回った頃、二人はほぼ同時にそれぞれのデスクでの仕事を終えた。
雄一は静かに立ち上がると、デスクの片付けを終えた澪のデスクへと自然な様子で歩み寄った。周囲に他の社員が数人残っている手前、仕事の話を装いながら、極めて低い声で囁きかける。
「澪、ちょっといいかな……。行く前に少しだけ、話がしたい」
「ええ……。そうね」
二人は周囲の目を盗むようにして、社長用とは異なる応接室へと足を踏み入れた。扉を閉め、二人きりの空間になった瞬間、雄一は澪の肩を優しく、しかし切実に掴んだ。
「さっき、鬼頭さんに呼ばれていただろ。5時過ぎから、かなり長い時間あの中にいたよね。……一体、何を話していたんだ?」
雄一の問いかけに、澪の肩が小さく震えた。自分が「瀬尾未来」という名前でAVに出演し、3人の男優と実際に本番のセックスをする契約を今しがた交わしてきたばかりだなどと、口が裂けても言えるはずがない。
「……ううん、大したことじゃないの。これからの仕事の進め方について、少し難しい書類があってね。その内容について、鬼頭さんから説明を受けていただけよ。本当に、心配いらないから」
澪は必死に声を整え、努めて穏やかな表情を作って誤魔化そうとした。雄一はその瞳の奥にある微かな揺らぎを見逃さず、不審に思いながらも、それ以上に彼の心を支配している、もっと切実で恐ろしい不安を口にした。
「……そっか。それならいいんだけど。それよりも澪、僕はもっと心配なことがあるんだ」
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