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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第47章 逃げ切れない平日の甘い攻防~金曜~
金曜日 9時40分 神奈川支店 13階 企画部フロア

彩香は朝から好き避けが激しくなっていた。
発表会の準備資料をまとめながらも、
健治さんの姿が視界に入るだけで体がびくりと反応する。
特に、健治さんが自分のデスクから立ち上がって通路を歩く気配を感じただけで、
彩香は慌ててPC画面に顔を近づけ、肩を小さく縮こめた。

(……見ない……見ない……
今日、発表会なんだから冷静にならないと……
でも、健治さん見たら頭真っ白になっちゃう……)

健治さんが少し離れたところで他の社員と話しているのを見た瞬間、
彩香は素早く立ち上がり、
「ちょっと資料取りに行ってきます……!」と小声で呟いて、
フロアの反対側にあるロッカールームへ逃げ込んだ。

ロッカールームのドアを閉め、壁に背中を預けて深呼吸を繰り返す。

「……はぁ……はぁ……もう、好き避けひどすぎる……
朝からずっとこんな調子……発表会で健治さんの前で話すなんて……
絶対に声震えちゃう……」

鏡の前に立ち、自分の顔を確認する。
頰が赤く、目が少し潤んでいる。

慌てて冷たいタオルで頰を押さえ、
「落ち着け……落ち着け……」と自分に言い聞かせた。

しかし、数分後、
ロッカールームの外から健治さんの足音が近づいてきた気がして、
彩香は慌てて一番奥のロッカーの陰に隠れた。

(……来ないで……来ないで……今日だけは、発表会が終わるまで……
近づかないで……!)

好き避けがピークに達し、
彩香はロッカーの陰で小さく丸くなり、
膝を抱えて震えていた。
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