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影を背負った愛~足りない愛を、君に 《2024年夏至編》
第48章 1ヶ月記念~二人だけの湘南ドライブデート~ 前編
午前10時半を少し過ぎたころ、健治のフォレスターは横浜の街を抜け、
湘南方面へと向かっていた。
窓を少し開けた車内に、海の匂いが混じり始めた風が流れ込んでくる。
彩香は助手席でアイスの棒をくわえながら、窓の外を眺めていた。
嬉しそうな横顔だった。
健治は信号待ちの間に、ふと口を開いた。
「そういえば、今朝のことなんだが」
「はい…なんですか?」
彩香がこちらを向く。健治は少し照れくさそうに、ハンドルを握り直しながら続けた。
「朝ランで、いつもと違う公園に行ったんだ。そしたら……藤竜也さんに会った」
「えっ……! 藤竜也さん……ですか? 本物の?」
彩香の声が、一気に高くなった。目が丸くなり、アイスの棒が指の間で止まりかけている。
「ああ。散歩してるところだった。
杖もついてなくて、背筋がしゃんと伸びてたよ。少し話をしたんだ」
「話を……!? 健治さん、本当に!?」
「うん。『彼女が、僕があなたに似てるって言うんです』って伝えたら、苦笑いしてたな。『似ていると言われて嫌な顔をされないだけでもありがたい』って。
それに『彼女さん、いい趣味をしてますな』とも言ってくれた」
彩香は両手で口を覆い、目を輝かせた。頰が一気に赤くなる。
「すごい……本当にすごいです……! 藤竜也さんとお話しされたなんて……!
私、すごく嬉しいです……!」
その喜びようは本物だった。
湘南方面へと向かっていた。
窓を少し開けた車内に、海の匂いが混じり始めた風が流れ込んでくる。
彩香は助手席でアイスの棒をくわえながら、窓の外を眺めていた。
嬉しそうな横顔だった。
健治は信号待ちの間に、ふと口を開いた。
「そういえば、今朝のことなんだが」
「はい…なんですか?」
彩香がこちらを向く。健治は少し照れくさそうに、ハンドルを握り直しながら続けた。
「朝ランで、いつもと違う公園に行ったんだ。そしたら……藤竜也さんに会った」
「えっ……! 藤竜也さん……ですか? 本物の?」
彩香の声が、一気に高くなった。目が丸くなり、アイスの棒が指の間で止まりかけている。
「ああ。散歩してるところだった。
杖もついてなくて、背筋がしゃんと伸びてたよ。少し話をしたんだ」
「話を……!? 健治さん、本当に!?」
「うん。『彼女が、僕があなたに似てるって言うんです』って伝えたら、苦笑いしてたな。『似ていると言われて嫌な顔をされないだけでもありがたい』って。
それに『彼女さん、いい趣味をしてますな』とも言ってくれた」
彩香は両手で口を覆い、目を輝かせた。頰が一気に赤くなる。
「すごい……本当にすごいです……! 藤竜也さんとお話しされたなんて……!
私、すごく嬉しいです……!」
その喜びようは本物だった。

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