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泡姫の純愛
第1章 泡姫の純愛
 3

 危険な憂鬱――

 それは…

 初めてこの高級ソープランドを訪れたのは…
『おい純、競馬で万馬券当たったから、いいとこ連れてってやるよ』
 という、職場の先輩からだった。

 そして、そのソープランドでの、いや、めいちゃんとの出会いと、体験は、オレにとって、正に…
『青天の霹靂』といえる快感を、心とカラダにもたらせてくれたのである。

 それまでのオレは…
 毎日の仕事が…
 毎日の生活が…
 彼女のいない、毎日の夜が…
 とにかく憂鬱で、憂鬱で、辛くて、堪らない毎日であったのだ。

 ただ、毎日生きているだけの日々――

 だけど、このめいちゃんとの出会が…
 この高級ソープランドの存在が…
 そんな憂鬱の毎日を、劇的に変えてくれたのである。

 それは、他の人達からしたら、まるでアイドルの追っかけ…
 推しの活動と同じであり…

 その対象が、ただ…
 『泡姫』『ソープ嬢』いわゆる風俗嬢というだけ。

 始めは、月に一度で十分であった――

 だけど、通う毎に、めいちゃんの魅力に魅了され…
 傾倒をし…
 心を惹かれ…
 純粋に愛してると、もしかしたら、彼女はオレを好きなんじゃないのかと、錯覚し…
 昏倒してしまっていた。

 本当に、もう一人の冷静な自分は分かってはいるのだが…
 昂ぶる自分の方が強く、その存在を呑み込んでしまうのだ。

 通へば通う程に…
『純くんありがとうね、大好きよ』
 サービストークと分かっているのだが…

 高揚感がどんどんと増していき…
 毎日の生活に張り合いが生まれ…
 幸福感に覆われていく。

 だけど、その反面、いや、幸福感が増す毎に…
 憂鬱な想いも、生まれてきた――
 
 憂鬱な想い…
 それは『嫉妬心』という、どうしようもない想い。
 
 風俗嬢が故の、ままならないジレンマ――


 そして、もう一つの憂鬱――

 
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