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キスフレ
第1章 キスフレ
 あいつは俺の幼馴染だった。家が隣同士で、家族ぐるみの付き合いをしていた。よく一緒に俺の部屋で遊んでいて、中学生の頃、突然あいつに言われた、キスしよって。


 その時はびっくりして、照れくささもあって「罰ゲームか?」なんて言ってしまった。
 今思うと、バカだった。なんでそんなチャンス棒に振ったんだって。
 俺はあいつのことが好きなのに……。


 あいつとギクシャクして、中学生の頃は憂鬱な日々を過ごした。あいつとはたまに会ったら挨拶するくらいで、ほとんど会話はなかった。
 あいつはどんどん可愛くなるし、あいつを狙う男は途切れなく現れた。


 なんで俺はあの時、キスをしなかったんだろう。俺だって、あいつとキスしたかったのに。


 それから高校生になって、俺は教室の机で眠るあいつに近づいた。俺たち以外誰もいない、静かな教室で俺は囁いた――「キスしたい」って。


 するとあいつはすぐに顔を上げて、


「いいよ、じゃあ今日から私たち、キスフレね」


 って、嬉しそうに言ったんだ。





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