この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
パステルカラー・オレンジ
第3章 帰り道

千尋の心臓がドキッとする。
ち「・・え・・っと・?」
握られた手、温かい人肌。
レ「荷物、持ちますね。」
そういって、千尋の手から鞄をとる。
ち「え?・・・・・え!?だ、ダメだよ!大崎君悪いから私・・・。」
千尋は離すまいと鞄の取っ手を引っ張るが、びくともしない。
ち「おーーさーきーくーーん!!手ーーはーーなーしーてー!!!」
諦めない千尋。
大崎は、その様子を見てスッと力をゆるめた。
ち「えっ・・まっ・・・急に!うわわわわわわ!!」
後ろにのけ反りかえる千尋。
フッと大崎は笑うと、鞄ごと千尋を引き寄せ、千尋の腰に手をそえた。
すんなり、腕のなかに納まってしまう。
ち「・・・はぁ。」
レ「荷物は、持ちますから。」
頭上から、優しく声をかけられた。
千尋は大人しく、大崎の後ろをトボトボ歩いていく他なかった。
ち(大崎君の意地悪!・・・ビックリした・・・ビックリした!!)
大崎の匂い、力強い腕、もう今日で何度経験しただろうか。
千尋の頭に、その記憶は確かに刻まれていた。

