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第2章 塾の人

試験は５教科、社会、数学、英語、理科、国語の順に行われた。

英語と理科の間に昼食が入り、自分の席でお弁当を食べた。

大崎君の席は何処だろうと、立ち上がってキョロキョロしていた時だった。

レ「秋山さん」

ち「・・・ｷｬｯ！」

後ろから声をかけられ、思わず声が出て驚いてしまった。

レ「すみません、驚かせてしまって。」



ち「あ、大崎君！」

真ん丸く目を見開いていた千尋は、フッと微笑んで喜んだ。

長身で背が高い上に、長く重い前髪が暗さを兼ねていて正直彼を知らない人にとってみれば気味が悪いが、千尋はそんなことを彼にたいして抱いたことはなかった。

顔を横にフルフルっと振るうと、千尋は大崎に笑って声をかける。

ち「今、大崎君を探してたところだから。」

レ「えっ？僕も、帰りの事をお話ししようと思って探してたんです。」

はにかんだように照れる二人。
携帯電話は、情報流出を防ぐため、回収されていたため直接集合場所や、千尋の最寄り駅まで送る話しをすることになった。

復習もせず、二人は楽しそうに話す。

ち（本当に、大崎君は優しいな。）