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お題小説第7弾「薔薇の名前」
第1章 薔薇の名前
「私…、先輩とお付き合いできる人じゃ
 なくなっちゃったんです…」

瞬間、先輩の纏う空気が揺らめくのを感じた。
だから私は精一杯の笑顔を先輩に向けた。
涙をいっぱいこぼしながら。
せめてもの笑顔で。

「私…私…先輩に、顔向け…できなく、
 なっちゃいました…」

溢れた涙はもう止まらなかった。
頬を伝い、顎から落ち、
スカートにいくつもの雫が零れた。

「梨紗……」
「だから、もう、私のこと…
 忘れて…忘れてください」

立ち上がろうとした私の手を、
それでも白波瀬先輩は離そうとしなかった。

「行くな、梨紗」

どきんと、心臓が跳ねる。
私の手を握る先輩の腕に、ぎゅっと力がこもる。

「行くな…
 こんな気持のままじゃ、
 私はお前を、諦められない」

先輩…

私を見つめる目が、
 その優しい声が、
このときの私の中にあった、
なにか壁のようなものを、
サラサラと崩していってしまった。
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