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夏の夜の秘め事
第1章 瑠偉、48歳
「銀ちゃん、今日の稽古はどうだった? お茶でも飲んでいかない?」
路地の角で、はるみが銀二郎に話しかける様子を、瑠偉は二階の窓から見下ろしていた。はるみの目には、獲物を狙うような艶めかしい光が宿っている。瑠偉は唇を噛んだ。
「あの目は、食べてしまおうかと狙っている目や……」
17歳の純真な少年を、35歳の手練れの芸者が弄ぶのはたやすい。修行中の身が欲望の餌食になれば、せっかくの才能が台無しになってしまう。それだけではない——瑠偉は自らの胸の内に湧き上がる感情に戸惑いを覚えていた。銀二郎のあの澄んだ瞳が、はるみの手に落ちて濁るのを見るのは耐えられない。我が身をあてがい、自分のものにしておきたい。そう思うだけで、胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
路地の角で、はるみが銀二郎に話しかける様子を、瑠偉は二階の窓から見下ろしていた。はるみの目には、獲物を狙うような艶めかしい光が宿っている。瑠偉は唇を噛んだ。
「あの目は、食べてしまおうかと狙っている目や……」
17歳の純真な少年を、35歳の手練れの芸者が弄ぶのはたやすい。修行中の身が欲望の餌食になれば、せっかくの才能が台無しになってしまう。それだけではない——瑠偉は自らの胸の内に湧き上がる感情に戸惑いを覚えていた。銀二郎のあの澄んだ瞳が、はるみの手に落ちて濁るのを見るのは耐えられない。我が身をあてがい、自分のものにしておきたい。そう思うだけで、胸が締め付けられるような感覚に襲われた。

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