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お題小説第4弾「次の夏に、また会いましょう」
第3章 夏祭り
夏祭りのお囃子の音が遠くに聞こえる。
石段の途中から、そちらに目をやると、
夜なのに、その一帯だけがワイワイとした人の熱気で
オレンジ色にぼんやりと光り輝いているみたいだった。

そんな中、僕はゆっくりといつもの神社の石段を登る。
てっぺんまでつくと、あたりを見渡した。

境内にはいくつかの水銀灯が据えられており、
青白い光が辺りに満ちていた。

その光の少し影になった辺りに、
彼女がいるのが見えた。

「お待たせ…」

純、と名を呼ぼうとして、僕の体は硬直してしまう。

「蒼真」
そう言って、はにかむように目を伏せた純は、
いつもの白いワンピースじゃなかった。

白地に鮮やかな紫の朝顔をあしらった浴衣を身に付けている。
セミロングの髪の毛はきれいに結い上げられており、
すっと伸びるうなじが、彼女の美しさを際立たせていた。

「ど、どうかな…」
頬が赤いのは、化粧というわけではないようだった。

「う…うん、すごく…かわいい」
「ふふ、ありがとう…」

いつものお堂の縁側には、
ビニールシートが敷いてある。

そこに二人腰を掛けて、
夜を見上げた。

「ほら、これ買ってきたんだ」
僕は両手いっぱいの荷物を開いてみせた。
「わあ…!」

それは、さっき夏祭りの出店で買ってきた、
縁日の品々

綿あめ、フランクフルト、
焼きそば、じゃがバター…

それだけじゃない。

「ええっ!金魚も!?」
「祭といえば金魚すくいだかんな」
「こんなに食べきれるかしら?」
「大丈夫、僕がいっぱい食べるから」

蚊取り線香をつけて、
二人で色んなものを分け合って食べる。

祭の様子を聞かせると、
純は楽しそうに笑っていた。

欄干に吊るした金魚入りのビニール袋を、
ちょいちょいつついてみたり、
ヨーヨーすくいで取ったヨーヨーで遊んでみたり。

そのうち、遠くで花火の音が聞こえた。
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