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美香 〜遠い専務と私の二年間〜
第2章 泡の夢、肌の熱
彼の大きな手が私の後頭部を支え、ぐいと顔を寄せられた 。重ねられた唇を優しく甘噛みされ、熱い舌先が口内へと滑り込んでくる 。互いの舌を深く絡ませ合っていると、彼の力強い腕が私をきつく抱きしめた 。

身に纏っていた薄緑色のワンピースが、衣擦れの音を立ててするりと床に落ちる 。圭佑の手がストッキングの端に掛かると、それも摩擦の熱を残したまま、なめらかに脱がされてしまった 。

視線に晒されたのは、上下お揃いの黒いレースのブラジャーとパンティ 。

圭佑もまたワイシャツを脱ぎ去り、左手でベルトを外してズボンを床に無造作に投げ捨てた 。ジムで鍛え上げられた身体には、無駄な贅肉など一切ない 。太い腕の筋肉が、照明を浴びて彫刻のように美しく隆起している 。そして何より、ボクサーパンツの奥で膨らむ彼のペニスの影が、これから始まる快楽の大きさを予感させていた 。

「シャワー、一緒に浴びようか」

彼に左手をぐっと引かれ、私は吸い込まれるように浴室へと足を踏み入れた 。

これまで、圭佑とは何度もセックスの会話を重ねてきた 。けれど、私は彼の質問のほとんどに、可愛い嘘をつき続けている 。彼の前では、できる限り純潔で、ウブな女でいたかったから 。これは誰も傷つけない、二人の関係を美しく保つための「良い嘘」なのだと自分に言い聞かせて 。

正直に答えたのは、「セックスは好き?」と聞かれて、「気持ちいいから好き」と素直に頷いたことくらい 。それ以外は、巧みに演じ分けてきた 。

「男性経験はどれくらい?」と聞かれれば、両手で余るほどの過去を隠して、かなり少なめの数を告げた 。

「男のモノを舐めるのは平気?」と問われれば、「平気ですけれど、あまり上手じゃありません」と恥ずかしそうに微笑んでみせた 。

(本当はね、もう十人以上の男性のそれを見てきたし、舐めてあげるのは大好きなの 。男の人が快感に顔を歪める瞬間を見るのがたまらないし、上手だって褒められるのが何より嬉しいのに)

「クンニされても大丈夫?」という問いにも、元カレたちに散々ねだって貪り尽くされてきたくせに、「見られるのは少し恥ずかしいですけど、大丈夫です」と、いじらしい女を気取ってみせた 。

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