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妻であること、女であること(仮
第1章 女の勘
私の違和感は
久しぶりにスーパーで会った
元同僚の一言からだった

「久しぶり〜」

「私は陶子のこと見かけたよ〜」

「え、そうなの?
声かけてくれたら良かったのに〜」

「それがさ、人がいっぱいいて近寄れなくて」

「人がいっぱい?」

「うん、先週野球場に居たでしょ?
旦那さんと一緒に。
二人で話してるの見たんだけど、とにかく人が多くて。
それに何だか話しかけちゃいけない雰囲気だったからさ」

「野球場?私は…行ってないけどな」

「え?そ、そうなの?
じゃ、じゃあ見間違いだね。
声かけなくてよかった〜」

元同僚は、私の『行ってない』という言葉に明らかに動揺していた。
確かに人違いかもしれない。
でも、その人違いは『私』だけ。
夫は確かにその日、野球場へ行っていたからだ。
まぁ、だとしても、夫が誰かと話しているのを見たというだけのこと。
それなのに、私は妙な違和感を覚えた。

だって
同僚とは10年近く一緒に働いていたし
久しぶりだと言っても
最後に会ったのは一か月ほど前。
見間違えることなんてあるんだろうか…。
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