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素直になれない幼なじみ【短編】
第2章 決壊の足音
水音が止まり、しばらくして脱衣所のドアが開いた。
「はぁー、生き返ったわ」
湯気と一緒に戻ってきた皇は、私が貸した大きめのTシャツとスウェットパンツを穿いていた。
髪が濡れたままで、いつもより少し幼く見える。
あの香水の匂いは消え、代わりに私のお気に入りのシャンプーの匂いが部屋に広がった。
「…ちょっと皇、髪ちゃんと拭いてよ。ベッド濡れるじゃん」
「いーじゃん、すぐ乾くって」
皇はタオルを頭に乗せたまま、当然のように私が座るベッドの端に潜り込んできた。
マットレスが沈み、一気に男の体温が近づく。
「っ…ちょっと、狭いんだけど。皇は床で寝てよ」
「冷てぇな。こんな硬いフローリングで寝たら明日身体バキバキになるわ。ほら、半分こ」
皇はニヤニヤしながら、わざと私の顔の近くまで身を乗り出してきた。
お酒のせいか、それともお風呂上がりだからか、彼の瞳はいつもより潤んでいて、じっと見つめられれば心臓が跳ね上がる。

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