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智恵の輪
第2章 阿吽の呼吸
バーは営業を終え静寂に包まれていた。
店内にはオレンジ色の明かりだけが残り、智恵と和真は奥のソファに並んで座っていた。近くにいるのに、二人の間にはわずかな隙間があった。
和真は何度か智恵のほうへ目を向けていたが、何を話せばよいのか分からずにいた。やがて、ずっと気になっていたことを口にした。
「今夜のワンピース…すごく可愛くて…良かったですよ…」
褒めたつもりだったが、うまく言えた自信はなかった。和真は言葉を足せないまま、智恵の返事を待った。
「ありがとう…」
智恵は口元を緩めると、和真から上体を少し離した。体を彼のほうへ向け、膝の上に両手を重ねる。淡いベージュのカーディガンの内側に、黒いワンピースが胸元から膝へ続いていた。
改めて見てほしいのだと分かり、和真は黙ってワンピースへ目を向けた。和真の視線は、智恵の鎖骨の近くで光るネックレスから、ワンピースに包まれた控えめな胸の膨らみへ移った。そのまま黒い生地をたどり、膝上の裾から伸びる両脚へ落ちていった。
その視線を受けているうちに、智恵の表情から笑みが消えていく。俯きかけた顔を上げると、離したばかりの体を和真へ戻し、両腕をその首へ伸ばした。
智恵は和真に抱きついた。頬を肩へ寄せ、先ほどまであった二人の隙間を自分から埋めていく。
それでも足りなかった――。
智恵は首に回した腕を解かないまま腰を浮かせ、片脚を和真の向こう側へ移した。ワンピースの裾に入ったスリットが開き、そのまま両脚で和真の腿をまたいだ。
和真は驚いたように智恵を見た。行き場を失っていた両手を、ためらいながら彼女の腰へ添える。
店内にはオレンジ色の明かりだけが残り、智恵と和真は奥のソファに並んで座っていた。近くにいるのに、二人の間にはわずかな隙間があった。
和真は何度か智恵のほうへ目を向けていたが、何を話せばよいのか分からずにいた。やがて、ずっと気になっていたことを口にした。
「今夜のワンピース…すごく可愛くて…良かったですよ…」
褒めたつもりだったが、うまく言えた自信はなかった。和真は言葉を足せないまま、智恵の返事を待った。
「ありがとう…」
智恵は口元を緩めると、和真から上体を少し離した。体を彼のほうへ向け、膝の上に両手を重ねる。淡いベージュのカーディガンの内側に、黒いワンピースが胸元から膝へ続いていた。
改めて見てほしいのだと分かり、和真は黙ってワンピースへ目を向けた。和真の視線は、智恵の鎖骨の近くで光るネックレスから、ワンピースに包まれた控えめな胸の膨らみへ移った。そのまま黒い生地をたどり、膝上の裾から伸びる両脚へ落ちていった。
その視線を受けているうちに、智恵の表情から笑みが消えていく。俯きかけた顔を上げると、離したばかりの体を和真へ戻し、両腕をその首へ伸ばした。
智恵は和真に抱きついた。頬を肩へ寄せ、先ほどまであった二人の隙間を自分から埋めていく。
それでも足りなかった――。
智恵は首に回した腕を解かないまま腰を浮かせ、片脚を和真の向こう側へ移した。ワンピースの裾に入ったスリットが開き、そのまま両脚で和真の腿をまたいだ。
和真は驚いたように智恵を見た。行き場を失っていた両手を、ためらいながら彼女の腰へ添える。

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