この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
父に刻印された身体
第7章 白磁の裸身、疼く熱
湯気の中に、ふたりきり。静寂の中でただ雫だけが滴り、湿った温かい空気が頬を優しく撫でる。父の不器用な優しさと、それを身を委ねて眺める私の間に流れる、淡く甘やかな緊張感。言葉ひとつ交わさないその時間が、どこか妖しく艶めいていて、白く立ち上る湯気の奥に隠れるようにしてふたりを優しく包み込んでいた。
ようやくまとめてもらった髪のおかげで、うなじから腰にかけて、私の無防備な背中があらわになる。
私はゆっくりと熱い空気を吸い込み、少しだけ肩をすくめてから、背後の父に向かってそっと言葉を漏らした。
「……お父さん。身体も洗ってくれる……?」
消え入りそうなほど小さな声。けれど、静寂に満ちた浴室にははっきりと響いた。
父に背中を洗ってもらうなんて、一体もう何年ぶりだろう。そんな過去の記憶をぼんやりと思い出しながら、私は息を殺し、背中に触れてくるはずの父の手をじっと待った。
父は息を殺すような慎重な手つきでタオルに白い泡をたっぷりと含ませると、私の剥き出しの背中にそっと触れさせてきた。皮膚を擦る最初の感触に、私はびくっとわずかに身をすくませてしまったけれど、すぐに伝わってきた柔らかな泡の温もりにほっとして、肩の強張りを解いていく。父の手は、呆れるほどに優しかった。まるで手折れてしまいそうな壊れ物を扱うように、慈しみを込めて背中をなぞっていく。
華奢な肩甲骨の輪郭から、ゆっくりと背筋の窪みに沿って下へと辿る。タオルの柔らかくぬめりのある感触が肌を撫で回すたびに、甘くくすぐったいような刺激が皮膚を駆け巡り、自分の背中の感触がぞくぞくするほど過敏になっていることに気づかされる。薄い生地の向こう側に、父の男らしい大きな手のひらと無骨な指の動きが、はっきりと熱を持って伝わっていた。
ようやくまとめてもらった髪のおかげで、うなじから腰にかけて、私の無防備な背中があらわになる。
私はゆっくりと熱い空気を吸い込み、少しだけ肩をすくめてから、背後の父に向かってそっと言葉を漏らした。
「……お父さん。身体も洗ってくれる……?」
消え入りそうなほど小さな声。けれど、静寂に満ちた浴室にははっきりと響いた。
父に背中を洗ってもらうなんて、一体もう何年ぶりだろう。そんな過去の記憶をぼんやりと思い出しながら、私は息を殺し、背中に触れてくるはずの父の手をじっと待った。
父は息を殺すような慎重な手つきでタオルに白い泡をたっぷりと含ませると、私の剥き出しの背中にそっと触れさせてきた。皮膚を擦る最初の感触に、私はびくっとわずかに身をすくませてしまったけれど、すぐに伝わってきた柔らかな泡の温もりにほっとして、肩の強張りを解いていく。父の手は、呆れるほどに優しかった。まるで手折れてしまいそうな壊れ物を扱うように、慈しみを込めて背中をなぞっていく。
華奢な肩甲骨の輪郭から、ゆっくりと背筋の窪みに沿って下へと辿る。タオルの柔らかくぬめりのある感触が肌を撫で回すたびに、甘くくすぐったいような刺激が皮膚を駆け巡り、自分の背中の感触がぞくぞくするほど過敏になっていることに気づかされる。薄い生地の向こう側に、父の男らしい大きな手のひらと無骨な指の動きが、はっきりと熱を持って伝わっていた。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


