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父に刻印された身体
第7章 白磁の裸身、疼く熱
「……ん、もうちょっとで終わるよ」
父の押し殺した低い声が密閉された浴室に重く響き、私は返事の代わりに小さく深く頷いた。無意識に胸の奥で止め続けていた空気を、ようやく口から吐き出す。
「……はぁっ……ぁ……っ」
しっとりと湿った浴室の静寂を切り裂いて漏れ出た自分の声は、あまりにも熱く自堕落で、まるでひとりで果てたあとに忍ばせる絶頂の吐息そのもののように、妖しく反響していた。
右腕を洗い終えた父の手が、皮膚に余熱を残したまま名残惜しそうに離れていく。
はぁ、と熱い湯気の中で溜め息のような息を吐き出した私は、肌に生々しく残る父の指の感触を慈しむように視線を落とした。きれいに泡を洗われた右腕を見つめながら、次に向かうべき不可侵の領域——不自由な左腕へと、自ずと緊張と期待が高まっていく。
白く強固なキャストによって無機質に固定された左手首。
自分の腕でありながら自分のものではないような歪さを放つその存在へ、父の無骨な手がゆっくりと忍び寄る。
ボディソープの泡をタオルに足しながら、父は呼吸を整えるように深く息を吸い込んでいた。
互いに言葉は交わさないけれど、父がどれほどの緊張感を強いているかが空気を通じて伝わってくる。
私はその真摯な気配に応えるように、背筋を小さく伸ばして父の手を受け止める姿勢をとった。
父の押し殺した低い声が密閉された浴室に重く響き、私は返事の代わりに小さく深く頷いた。無意識に胸の奥で止め続けていた空気を、ようやく口から吐き出す。
「……はぁっ……ぁ……っ」
しっとりと湿った浴室の静寂を切り裂いて漏れ出た自分の声は、あまりにも熱く自堕落で、まるでひとりで果てたあとに忍ばせる絶頂の吐息そのもののように、妖しく反響していた。
右腕を洗い終えた父の手が、皮膚に余熱を残したまま名残惜しそうに離れていく。
はぁ、と熱い湯気の中で溜め息のような息を吐き出した私は、肌に生々しく残る父の指の感触を慈しむように視線を落とした。きれいに泡を洗われた右腕を見つめながら、次に向かうべき不可侵の領域——不自由な左腕へと、自ずと緊張と期待が高まっていく。
白く強固なキャストによって無機質に固定された左手首。
自分の腕でありながら自分のものではないような歪さを放つその存在へ、父の無骨な手がゆっくりと忍び寄る。
ボディソープの泡をタオルに足しながら、父は呼吸を整えるように深く息を吸い込んでいた。
互いに言葉は交わさないけれど、父がどれほどの緊張感を強いているかが空気を通じて伝わってくる。
私はその真摯な気配に応えるように、背筋を小さく伸ばして父の手を受け止める姿勢をとった。

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