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Try Marriage
第19章 理由
「俺と親父の約束ってのは・・・俺が30歳になるまでに結婚する事・・
それから、30歳までに自分の店を持つこと
それが出来なかったら、親父の決めた女と結婚して会社を継ぐってのが俺が料理の道に
進む時の条件・・」
そんな事初めて知った・・・。
「だから・・・せめて結婚したってとこは見せようと思って、あの時七海に頼んだ・・
親父さえ納得させられれば、会社も継ぐこと無いし結婚もしなくて済むって考えしか
無くて、軽く考えてた・・でも、まさか探偵雇ってたとはな・・
親父を甘く見すぎてたよ・・・」
「それがこの生活の理由なんだね・・」
「それだけじゃない・・。理子と別れた俺はどうしようも無い人間になってて
誰かと一緒に生活すれば・・気も紛れるし・・。自分の居場所も出来るって思った
俺、勝手だよな・・・自分の事しか考えて無くて・・。七海本当にごめん」
蓮は、私に何度も謝った。
しかし、疑問がいくつかある・・。
「どうして最初に話してくれなかったの?」
「親父が理由だなんて言ったら・・・断られると思ったんだよ・・」
私は最初から知ってた方が良かったかなぁ。事情が事情なだけにね・・。
「私が最初に、お見合いさせられそうなの?って聞いたことは大幅当たってたんだね」
「あぁ・・。七海にこの事を話したら・・きっと幻滅して出て行くんじゃないかって
不安で・・言えなかったんだよ。七海と生活する内に、俺の中で七海は居なきゃいけない
存在になっていって・・。ここで七海が出てったらって考えると怖かったんだ・・」
出て行かないのに・・。
蓮、一人でずっと悩んできたんだね・・。
ただ・・お父さんの言う自分の店ってのは、雇われ店長では無く自分が経営者になるって
事だよね??
って事は、今の店ではダメだってことか・・。
「お父さんは後一年あるのに、どうしてこんなに早く会社も結婚も決めたの?」
「きっと・・嘘を付いた俺に足しての腹いせか・・・1年後に条件をクリアできない
って判断したんだと思う・・」
そういう事か・・。約束の期間を決めたんだったらお父さんも守るべきだと思うけど
そんな単純な話が通用する人じゃないよね・・。