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恋心あれば水心
第4章 こ
「半田。今日は急いで帰らないの?」
久しぶりの山田さんの声に私の心が反応する。
半田?半田さんって誰だろう?
あの辺は建築営業部・・・かな?
「ん~・・・どっかでごはん食べて行こうか考えているところ」
あ・・・・
半田さんって、建築営業の半田さんだ!
女性なのに営業成績がすごく良いって。
そうか。山田さんの同期?
「んじゃ、たまには俺と食べに行くか?」
「山田のおごり?」
「おまえさ~。お前も稼いでんだろ?」
「はい。山田のおごり決定~。駅前の居酒屋でいいよね」
そんな会話が聞こえてきた。
私と食べる時間はなくても
半田さんとは食べに行くんだ。
私にメールする時間はなくても
半田さんには声をかけるんだ。
私はそっと反対側のエレベーターに向かった。
私は心のザワザワを理解できないまま家に帰った。
ご飯を食べテレビを見てやっと帰ってきた父を
玄関先で捕まえてにじり寄る。
「お父さん。男って出世したいよね?」
「ん?なんだ急に」
「男って出世したいよね?」
「まぁ大抵の男はな」
「私と・・・常務の娘と結婚すれば出世街道も開けるよね?」
「・・・・・山田と何かあったか?」
「答えてよ。ねぇ。私は常務の娘なんだよ」
お父さんの前で泣くのは本当に何年振りだろう。
「何があったのか知らないが、山田はそんな男じゃない」
「お父さんに山田さんの何が分かるの?」
「入社のとき、部長だった俺が直接新人指導した」
「だって、そんなの何年も前でしょう!」
「希望。人間の本質は何年たっても変わらないよ。
ずるい奴はやっぱりずるい。残念ながらな。
誠実な奴は誠実だよ。何年たっても」
「・・・・・」
「俺は希望とは比べられないぐらいの数の男を見てきた。
男の本質を見抜く目は希望より持ってると思うぞ」
そう言ってお父さんは私の肩をぽんと叩いた。
久しぶりの山田さんの声に私の心が反応する。
半田?半田さんって誰だろう?
あの辺は建築営業部・・・かな?
「ん~・・・どっかでごはん食べて行こうか考えているところ」
あ・・・・
半田さんって、建築営業の半田さんだ!
女性なのに営業成績がすごく良いって。
そうか。山田さんの同期?
「んじゃ、たまには俺と食べに行くか?」
「山田のおごり?」
「おまえさ~。お前も稼いでんだろ?」
「はい。山田のおごり決定~。駅前の居酒屋でいいよね」
そんな会話が聞こえてきた。
私と食べる時間はなくても
半田さんとは食べに行くんだ。
私にメールする時間はなくても
半田さんには声をかけるんだ。
私はそっと反対側のエレベーターに向かった。
私は心のザワザワを理解できないまま家に帰った。
ご飯を食べテレビを見てやっと帰ってきた父を
玄関先で捕まえてにじり寄る。
「お父さん。男って出世したいよね?」
「ん?なんだ急に」
「男って出世したいよね?」
「まぁ大抵の男はな」
「私と・・・常務の娘と結婚すれば出世街道も開けるよね?」
「・・・・・山田と何かあったか?」
「答えてよ。ねぇ。私は常務の娘なんだよ」
お父さんの前で泣くのは本当に何年振りだろう。
「何があったのか知らないが、山田はそんな男じゃない」
「お父さんに山田さんの何が分かるの?」
「入社のとき、部長だった俺が直接新人指導した」
「だって、そんなの何年も前でしょう!」
「希望。人間の本質は何年たっても変わらないよ。
ずるい奴はやっぱりずるい。残念ながらな。
誠実な奴は誠実だよ。何年たっても」
「・・・・・」
「俺は希望とは比べられないぐらいの数の男を見てきた。
男の本質を見抜く目は希望より持ってると思うぞ」
そう言ってお父さんは私の肩をぽんと叩いた。