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コンプレックス
第1章 弟が父親になった

(……こいつが”父親”ねぇ……)
ドアに寄りかさったまま、ペラペラと辞書を捲る弟の姿を、翔はマジマジと見つめる。
─────イケメン…。
男から見ても、兄という立場で見ても、琉はイケメンだと思う。
母親似の琉、父親似の翔。
同じ親から作られた筈。
(なのに、何でこいつはモテて、俺は冴えない?)
「……何?」
不機嫌な視線を向ける琉に気付き、翔はハッと我に返った。
(危ない危ない。”モテる弟を妬むモテない兄”に成り下がるところだった‼︎ )
翔はブンブンと首を横に振った。
「名前の候補ってあんの?」
翔は琉の横から辞書を覗き込む。
「あるよ」
「何?」
「教えない」
(─────可愛くない)
パタンと辞書を閉じ笑いながら翔を見る琉に、翔は少しイラだった視線を返した。
(こいつは昔っから俺に対しての態度が本当に可愛くない‼︎ )
それでも兄というプライドから、大きな溜息と共に、翔は琉へのイライラを心の外へと吐き出した。
ドアに寄りかさったまま、ペラペラと辞書を捲る弟の姿を、翔はマジマジと見つめる。
─────イケメン…。
男から見ても、兄という立場で見ても、琉はイケメンだと思う。
母親似の琉、父親似の翔。
同じ親から作られた筈。
(なのに、何でこいつはモテて、俺は冴えない?)
「……何?」
不機嫌な視線を向ける琉に気付き、翔はハッと我に返った。
(危ない危ない。”モテる弟を妬むモテない兄”に成り下がるところだった‼︎ )
翔はブンブンと首を横に振った。
「名前の候補ってあんの?」
翔は琉の横から辞書を覗き込む。
「あるよ」
「何?」
「教えない」
(─────可愛くない)
パタンと辞書を閉じ笑いながら翔を見る琉に、翔は少しイラだった視線を返した。
(こいつは昔っから俺に対しての態度が本当に可愛くない‼︎ )
それでも兄というプライドから、大きな溜息と共に、翔は琉へのイライラを心の外へと吐き出した。

