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近くて甘い
第55章 淡い恋の終わり
「わ、私なにも言ってないよっ…」


「いやっ…でも今めっちゃ身体強張ってたから…
そりゃ俺だって男だし、そういうこと考えないわけじゃないっていうかっ…
でも、それは愛花のタイミングでっ…」



1人で慌てながらペラペラと話す浩平を愛花はチラと見た。


「はぁ…ごめん、1人でテンパった…
そんな話ししたかったんじゃねぇーんだよ…
母親が愛花を連れてこいってうるせぇから…」


「え…?お母さんが…?」



「夜ご飯作るから誘え誘えって本当毎日言うからさ…」


「そう…なんだ…」



少し落ち込んだような様子の愛花に浩平は、眉を寄せる。




「ごめん…迷惑だよな…そういうの…」



「迷惑なんかじゃないよ…」



再び俯いた愛花に浩平は首をかしげる。


やっぱ、なんか落ち込んでね…?




「愛花…?」



「私…浩平くんちには行けない…」



はっきりと断られて、浩平は、言葉が出ずに固まる。



家族と会わせるのはやっぱり愛花を大事に思っているからこその行動だったわけで…


なんか否定されると…傷付くっていうかなんていうか…
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