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近くて甘い
第60章 卒業とそれから…
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区役所帰り、有川邸の前で車が止まる。



「知らない間にお父さんが書類を、書いててびっくりしました…」


「あぁ、お前は未成年で親の承認がいるから先に頼んでおいた…」



「そうだったんですか…

なんか、全然実感がないです…」



「名前は…」



「え?」



「名乗ってみろ」




突然の命令に目が点になった真希は、光瑠の意図を察すると顔を紅らめる。




「有川…



有川…真希です…」





自分に言い聞かせるように真希が言うと、光瑠は満足気に笑う。





「いい響きだな…」




「なんですか、それっ…」



「ふっ…」





二人で微笑みながら、車を降りる。




「今夜は祝いをしよう…」



「あ、そうですね、他の人も呼び──」





「「「「おめでとうございます!」」」」




突然の大きな声に、真希と光瑠は目を見開いて前を見つめた。



要、酒田、加奈子を始めとする有川商事の人々…



先ほど別れた梨子、亮太、浩平を始めとする学校の仲間…


そして、古畑、愛花を始めとする有川家の人々…







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