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近くて甘い
第9章 青春の風が吹く
ギクッとしながら、私はうん…と恐る恐る返事を返した。



「ちゃんと給料も出してくれるらしいし、3泊4日泊まりで来てくれない?」



やっぱり…っ…
そういう流れだったよね…



返事を言い淀む私を見て、梨子が足を止めた。



「ほんとまじでお願いっ…」


「えっと…そのっ…」



困っていると、愛花ちゃんが私の袖をグッと掴んだ。


真希さま、ダメです。
ご主人様がそんなの許すわけないでしょ!



口を開かずとも大きな目がそう言っているのが分かる。



「っ…どうかなぁっ、隼人がいるからなぁっ…お父さんいつも帰り遅いし、私がいないと隼人が夜一人に──」


「なら隼人くんも呼んでいいからっ!!」



っ…
そう来たかっ…



困っているなかで一瞬、八ヶ岳の大自然の中で楽しそうにはしゃぐ隼人が浮かんで、いけないいけないと頭を振った。

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