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近くて甘い
第9章 青春の風が吹く
そんなに言うなら…
光瑠さんにもちゃんと説明して…



「真希様っ!!!」



声を張り上げた愛花ちゃんの手を、梨子がすかさず掴んだ。



「えっ…あのっ…」



驚いた愛花ちゃんは身体を固めて梨子を見る。



「愛花ちゃんも!ゴールデンウィーク、空いてないっ!?ねぇっお願いっ…二人いたら超助かるの!叔母さんに時給よくしてもらうように頼むからさっ…!!」



………すごい迫力──



私も愛花ちゃんもどんどん梨子の勢いにのまれていく。


そして口が勝手に動いて…



「……わかった…ちょっと…聞いてみるよ…」


光瑠さんに──とはもちろん言わなかった。



「ありがとーー!ちょー助かるっ!!」



根気負けってこの事だ。


ちらと愛花ちゃんを見ると、猫を拾ったときと同じように呆れ返っている。



「真希さまが行くなら、私も行きます…そうすればきっと…」


ご主人様も…



小さい声で続けた愛花ちゃんを、梨子がギュッと抱き締めた。


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