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近くて甘い
第20章 王子の申し出
完全に言い負かされている中で、光瑠は不機嫌そうに真希を睨み付けた。



「俺が運ばせた訳じゃない」


「なっ…!そんなへりくつが通用する訳ないじゃないですかっ!ここは光瑠さんの会社なんですから、ここで起きたことの責任は光瑠さんにある…そうじゃないんですかっ!?」



あまりの勢いに光瑠は無意識に後ずさった。


弱いものに味方するときの真希の強い事と言ったら…


バカバカしいっ…
ドジ女一人の事で、力では勝てる訳がないのに、果敢に挑んでくるなんてどうかしている──



「お前なぁっ!それ以上俺に指図するような口を利くとっ…」


「何ですか?何をするんですか?」



光瑠の真似をするように腕を組んだ真希を見つめながら光瑠は次の言葉を探す。


殴る…?
いや、痛めつけるなんてことは出来ないから論外だ…


なら学校に行かせない…?
いや、それはダメだ。しっかりと真希の父とした約束がある。


なら…一体…

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