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近くて甘い
第22章 疑惑の二人
息が上がる中、SAKIとSALAの後ろ姿が見えた。


バレないように、壁に隠れながら、要さんのオフィスにノックしてわっきゃと騒ぐ、二人を見つめる。



本当に足が長くてスタイルがいいな…



思わず見とれてしまうその容姿。



「はい…」



中から要さんが声を出すと、二人は顔を見合わせてクスクスと笑い出した。



かわいい…

本当に同世代だなんて信じがたい…




「「宅急便でぇ〜す!!」」



え?


声を揃えた二人はふざけてそういうと、またクスクスと楽しそうに笑った。



「えっ…!? SAKIとSALAって宅急便までやってるのっ!?」


「…多分違うと思いますけど…」



私は本気で驚いた様子の加奈子さんに苦笑い交じりに答えた。



「…?何のいたずらだ…」



来たっ…


ドアを開けた要さんは、二人を見て目を見開いた。




「「かなめ〜〜〜〜!!!!!」」


「おっ…!!」




ええっ!?


突然抱き着いた彼女たちの勢いで、要さんが倒れ込んだせいで、3人の様子は見えなくなった。



キャッキャと楽しそうな声とチュっというリップ音がたくさん響いて、私と加奈子さんは、しばらく立ち竦んだあと、その場にいれなくなって、走って退散した。




「っ…うぅっ…」


「加奈子さんっ…」



ぽろぽろろ涙を流す彼女の背中をさすりながら、私も頭の整理が付かないでいた──


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