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近くて甘い
第23章 薄情な作戦

関根の幸せ…



「いい加減にしろ。お前が口を出せばややこしくなるだけだ」



少し冷たく言い放った光瑠に、真希はギュッと唇を噛んだ。



「…冷たいっ…」


「……」


「光瑠さんは、要さんに幸せになってほしくないんですねっ…?」


「別にそんなことは…っ」


「言ってるじゃないですかっ!優しくてっ…みんなに慕われている要さんが光瑠さんは妬ましいだけじゃないですかっ!」



「っ………」



真希の言葉にキレた光瑠は静かに立ち上がって真希を見下ろした。



「妬ましい…?俺が関根を…?」



「っ…そうですっ…だからっ…きゃっ」



思わず真希の手首を強く掴んだ光瑠はぐっと歯を食いしばって真希を睨み付けた。


怒りで言葉が見つからない。

光瑠にとって要は信頼している部下であり、恩人であり、ライバルであり…



幸せを願わなかったことなどない…


彼にとって何が幸せなのかは、考えなくとも分かることだが…



「光瑠さんっ…痛いですっ…」



それは、どうしても光瑠には叶えられないことだ──



「勝手にしろっ!!」



手を離した光瑠はそう叫ぶと、勢いよく部屋から出てた。



「そうやって力でものを言わせるなんてっ!!!」



かすかに聞こえた真希の言葉に舌打ちをした。



そして光瑠はいつもとは違う部屋を用意するよう古畑に言付けていた──
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