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近くて甘い
第34章 企てとすれ違い
「社長が傷付いているのを見るのは…とっても辛いです…」
真希の幻影に香純が重なって、
儚く真希が消えて行く…
「私で出来ることがあれば…」
「……俺は早くここから出たいだけだ…」
いや。
本当に出たいと思っているだろうか…
ここから出れば、嫌でも真希と関根の幸せな姿が目に入ってしまう。
ならばいっそこのまま…
「社長…」
色づいた声音。
光瑠はそれに意識を向けることなく、ただただ抜け殻のように、ぼんやりと真希の事を想っていた──