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第37章 立つ悪女は跡を濁す

このまま、この人たちにやられっぱなしは耐えられない。



どうせ去る会社。



ならば、もう人目をはばかる必要なんかない──…





ニヤリと笑った香純は顔を上げて、真希の後ろ姿をみた。





「随分な自信ね！！」



先ほどとは違う大きな声。



ここまで言われても、悪女はただでは転ばない。





「香純っ…もういい加減にしなよっ！」



加奈子の声にはまるで反応せず、ぎゅっと唇を噛みながら再び振り返った真希のことを見て、香純は高らかに笑った。




「っ……なにが面白いんですかっ…」




「どうしたら、そんなに自信がつくの？何の取り柄もないくせに…」



「っ……あなたにそんなことを言われる筋合いは───」



「以前の婚約者に似てなければ、どうせあなたなんか見向きもされなかったわ」






衝撃の発言に、真希は、言葉を失ったまま固まった。




ふっ……


やっぱり…藤木真希の弱点はこれね……