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近くて甘い
第37章 立つ悪女は跡を濁す
ゴミ箱までそれを持って行った香純は捨てようと手を離そうとしたが、何故かそれが出来なかった。




こんなの私じゃない…




心地悪さを感じながらも、包みのリボンを解いた香純は手を袋に入れると、一枚クッキーを掴んでそれを頬ばった。




「……………あっま…」




久しく食べていなかった甘いもの。




口一杯に広がったその優しい味に、香純は不覚にも流しそうになった涙をクッキーとともに飲み込んだ。





…………また…あの3人でご飯食べられるかな…





そんなことを思いながら、香純は次々と加奈子のクッキーを口に運んでいた──…



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