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近くて甘い
第39章 想いと言葉と…
軽くうつ向いたら、光瑠さんが優しく頭を流してくれた。



今なら、バレない───




流れていくお湯には、泡と…私の涙が混ざっていった。




「上がるか」




ひとしきり流し終わって、キュッと蛇口を閉める音が響く。



もう泣き止まなきゃいけないのに、一度緩んだ涙腺はシャワーの蛇口のように簡単には閉まらない。




しばらく黙っていたら光瑠さんは一人でシャワールームから出てしまった。




なんで…


どうして今、置いていくの…?




不安に不安が重なって、ついに声が出そうになったとき、再びシャワールームの扉が開いた音がした。




「いい加減顔を上げろ、髪が長いからまるでホラーだ」



笑い混じりの言葉に、拍子抜けして顔を上げると、途端にたくさんのタオルが私の身体を包んだ。





「ひか…るさ…ん」


「湯冷めして風邪を引いたらどうする」




優しい微笑みに、また涙がにじむ…


私、いつからこんなに貪欲になったんだろう…





「うっ、うぅ…」


「泣くな」


「だってっ…」


「拭いても拭いてもキリがないだろが」


「だってっ…だってっ…」


「いいから…少し落ち着け…」




タオル越しに抱き締められて、温もりが増した。
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