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人妻コレクション~他人に抱かれる妻たち
第8章 奈知子~息子の友人たちに
「えっ?・・・・・・・・・・・・」

そのとき、奈知子は自分がどこにいるのか、すぐに把握できなかった。

妙に頭が重い。

そして、肉体が慣れぬ熱を帯びているような気がする。

瞳を開き、奈知子はぼんやりとした頭をゆっくりと働かせ始めた。

周囲は闇に包まれている。

自分がうつ伏せの体勢で横になっていることを知る。

こちこち、と時を刻む秒針のかすかな音。

それは、奈知子にはなじみがあるものだった。

「寝室にいるの?・・・・・・・・」

いつのまにか、奈知子は2階にある寝室で横になっているのだった。

そして、自分がどこにいたのか、記憶が急速によみがえってきた。

息子、良太の友人二人とビール、ワインをわいわいと楽しんでいたのだ。

ソファで寝入ってしまった息子をよそに、奈知子は2人との会話を満喫した。

久しぶりのアルコールも、それを手伝った。

だが、どこでどうお開きとしたのか、はっきりした記憶がない。

恐らく、何かのタイミングで私はここに来て、寝てしまったのだろう。

横になったまま、時計を見つめる。

闇の中、時計の針が午前2時過ぎを示していることを知る。

階下は静まり返っている。

「あの子たちも寝たのね」

奈知子は自分がまだ、服を着たままでいることに気付く。

「シャワーを浴びなきゃ・・・・・・・」

そう思いながらも、奈知子はしばらく横になり、心地よい酔いに身を任せた。

久しぶりに楽しかった。

ひと時を過ごしてくれた彼ら二人の態度が、奈知子には純粋に嬉しかった。

少なくとも、彼らは自分のことを息子の母親としてだけではなく、一人の女性として見てくれたような気がした。

それは、奈知子がもう長い間、無縁なものだった。

自分が女であることを、奈知子は思い出したような気分だった。

「久しぶりにあんな風に過ごすのもいいわね」

そう思い、奈知子は酔いの残る肢体をベッドから起こそうとした。

そのときだった。

寝室のドアのすぐ向こうに、人の気配がした。

しばらくの後、ドアがかすかに軋みながら開いた。

誰かがそっと忍び込んでくる気配が感じられた。

奈知子はベッド上にうつ伏せの格好のまま、身を固くした。
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