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第23章 瑞季〜写真教室での出会い

「もう限界だ」

出張先のホテルで、久志はベッドに倒れ込んだ。

午前零時をとうに過ぎている。

「出張先でも接待かよ」

毎晩のように続くクライアントの接待。

酒好き、女好きの上司、そしてこの業界の人間たち。

キャバクラ通いもそろそろ限界だ。

このままじゃ全部駄目になってしまう・・・

俺自身、そして結婚生活も。

4歳下の妻、瑞季には何の不満もなかった。

自分にはもったいないほどの美貌、そしてスタイルの持ち主。

だが、夫婦関係は冷え切っている。

原因が自分にあるのは明らかだ。

仕事で疲弊した後では、妻を愛する余裕も、いや会話さえ億劫になる自分がいた。

スマホゲームに逃避し、妻の苦しみを理解しようともしない夫。

それが俺だ。

最後に妻を愛したのはいったいいつだろう。

ベッドの上で、彼は何ヶ月も抱いていない妻の裸を想像する。

瑞季・・・

妙な興奮に支配され、久志はスマホを見つめた。

無意識のうち、闇雲に猥褻な画像を検索していく。

いつしか、彼は妻に似た風貌の女性を探し始めた。

だが、そこは上品さのかけらもない女性で埋め尽くされている。

「寝るか」

そのときだ。

彼の目に１枚の写真が捉えられたのは。

「・・・」

とある販売サイト。

写真をクリックすると、何枚もの別の写真、更には映像のサンプルが画面に現れた。

全て同じ女性が、全裸で男性に抱かれている。

中には両腕を縛られたまま、激しく男にされている写真もあった。

「・・・」

久志は全てをその場で購入した。

そして・・・

映像の中、妻の声が彼の耳に届いた。

「ああっ、いい・・・」

自分には見せたことのない表情で、妻が喘いでいる。

そして、カメラを見つめたまま昇り詰める妻の姿。

「ああっ、イクっ・・・」

夫はベッド上で困惑の渦に投げ出された。

「これは・・・」

冷静になるんだ、冷静に・・・

心を落ち着かせ、彼は最近の妻の言動を思い出そうとした。

そうだ、瑞季は最近写真講座に通い始めたはず・・・

そういうことか・・・

そこで妻と出会い、甘言で誘った男がこの映像の男に違いない。

悪銭を稼ぐために妻を騙しやがって・・・

酔いを忘れ、久志は長い間忘れていた高揚感を取り戻した。

「面白くなってきたぜ」

夫の復讐劇が始まった。

＜第２３章　完結＞