この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
最後まで
第16章 地上戦
オーバーランクに出会って居たのはアドだけではなかった。
「ふぅん。中々やるわね。」
体の何倍もの長さの鞭を翻してクスッと笑うのはハンザーだ。
彼女の前でゼイゼイと息を荒げているのはオーバーランクのメガーラ・ウリア。
女性ながらにオーバーランクにまで登り詰めた彼女は自身の魔法に自信を持っていた。
彼女の武器は氷。
何者も凍てつかせる絶対零度の高レベル魔法。
「《氷柱の牢獄》!!」
ズバン!ズバン!ズバン!
ハンザーの周りに分厚い氷の柱が次々と立ち上る。
「あらあら…。」
ハンザーはゆったりとした言葉とは裏腹に柱に鞭を絡め、鋭くメガーラに肉薄した。
「ぐぅ!!!」
―ここに来てスピードが上がるなんて!
ずいぶん長い時間を戦ったつもりだった。
メガーラ自身も魔力の残りは少なくなっている。