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第7章 出産

イツルは虚ろな目でアイクを見た。

一瞬にして恐怖が瞳に宿る。

―嫌だ！恐い！！

野生の感は、魂になっても衰えない。
素顔を現したアイクを恐怖の対象にするのは、当たり前の事だった。

死を司る神

人型であろうとその凶悪までな目は、簡単に生き物の心を絶望へと沈める。

腹に蠢く我が子。
周りに囲む異形の子。
そして、側に佇むこの男。

全てがイツルにとって会ってはならない絶望、恐怖。

イツルは狂いそうだった。

いや、いっそ狂ってしまいたかった。
この恐怖から逃れる為に。