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梨華との秘密
第9章 乱れ咲く縄華
 あらっという顔で、三奈が俺を見つめていた。


「あなたの部下だったの?可愛い娘なんでしょう?」


 あらら、地雷をふんじまったな。


「うん、新入社員の時に来てね。二年いたかな?社長秘書に引き抜かれちゃったんだ。俺が指導員だったんだが、すぐに岡山にきちゃったから、詳しいことは知らないがね。」


 俺の言葉を、面白そうな顔で、母娘二人が見ていた。


「パパ、その人、パパの彼女だったんでしょ。」


 うわあ、ずばりやな!
 ストライクやな。
 誤魔化しは効かんな。


「うん、その通り。彼女パパの恋人だったんだ。そいつが噂になってね、転勤さ。」


 三奈の唇が何か言いたそうにしていたが、


「えっ、じゃあ元カノと元彼?久しぶりのデートじゃない!」


 三奈の瞳が、すがるように俺を見ていた。


「うーん、残念ながら、ヒモツキだったけどね。支社長の愛人の監視つきだったからね。」


 三奈の唇から大きく、息が吐き出された。


「あら、それは残念だったわねぇ。でも、懐かしかったんでしょ。」


 なんとかごまかしたかな?
 しかし、三奈には話さなきゃならないな。


「正直に言うと、三年前に振られたんだ。そのあと、すぐに転勤になって、なにがなにやらサッパリわからなかったんだ。彼女とは、結婚まで考えていたからね。ショックだったわ。」


「えっ、結婚?うそっ!」


 女二人が同時に声を上げた。


「うん、真剣だったんだ。梨華も一緒にお風呂に入るかい?」


「ううん、もう入っちゃったから、いいわ。ママと二人でユックリ入ってきて。」


 あら、意外やな!
 つまり、二人で楽しめってか?


「あら、嬉しい!お言葉に甘えて、パパとユックリ入るわね。」


 やられた!
 打ち合わせてやがったな?
 悪魔やな。


「あらま、お行儀がいいね、梨華。明日が最後かな?」


「うん、終業式よ。そろそろ、あがるわ。パパ、キス。」


「甘えん坊だな。おいで、」


 言い終わらないうちに、梨華の唇が俺の唇を塞いだ。
 名残を惜しむように、しかし、熱い舌が俺の舌を求めた。


「お休み、梨華。明日から、楽しませてあげる。楽しみにしてな。」


 コクリッと、頷くと少女は二階に上がっていった。


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