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梨華との秘密
第10章 聖夜の宴
そうか、つまり再編か!
「わかりました、課長。使わせていただきます。」
「うん、使ってくれるんだ。有難い、あっ、それから、使うなら秋口くらいまでが、有効期限だからね。」
それだけを言うと課長は部屋を出ていった。
うへっ、秋までにゃ倉敷は縮小か閉鎖だわ。
つまり、それまでに形にしろってことね。
「ミキちゃん、聞いたね。倉敷、大変だぜ。まあ、俺は仕上げたら会社を辞めるから、かんまんけどね。」
「辞めるって?うそっ、お父さんと一緒に仕事出来ると思ってたのに!」
ミキが叫ぶように、言葉を投げつけてきた。
「いや、ミキちゃん俺は辞めるけど、俺と仕事は一緒にできるさ。詳しいことはイブに話すよ。」
「辞めても一緒に仕事できるん?知りたい、お父さん。」
少し甘えるように、少し緊張した声でミキが聞いてきた。
「一緒に仕事かぁ、出来るかもしれない。出来ないかもしれない。ただ、一緒にいたいなら、ずっと一緒にいられる。」
「えっ、仕事じゃ無理ってこと?ずっと一緒にいられるって?まさか?娘だから?」
「あぁ、娘だからね。家族は一緒に暮らしたいだろう?だからさ。」
「えっ、うそぅ、ほんま!嬉しい!」
すっとんきょうな声をあげながら、ミキが抱きついてきた。
「ホンマや!イブに来たときに決めような。そろそろ、帰ろうか?」
「えっ、あっ、はい、係長。わかりました。」
そう言うと、軽くウィンクして部屋を出ていった。
俺は課長のくれたファイルを抱え、彼女の足音が遠ざかるのを聞いていた。
どうしたものかと、考えながら自分のデスクに戻りファイルをカバンに詰めながら、三奈と梨華の顔が交互に現れ、俺の頭を混乱させた。
しかし、誰かの視線を感じ、そっちを見ると、ミキが俺の方を期待をこめて見つめていた。
気づかない振りをして課長に、
「それじゃあ課長、お先に失礼します。」
軽く挨拶をして、タイムカードを打った。
タイムカードを戻し、エレベーターに歩き始めると、ハイヒールの靴音が俺を追ってきた。
エレベーターに乗り込むと、俺の後ろから靴音の主が慌てて飛び込んできた。
「お父さん、車ですか?」
えっ、と思ったがミキだった。
驚いたが、
「うん、車だよ。どうしたん?」
思わず、聞き返していた。
「わかりました、課長。使わせていただきます。」
「うん、使ってくれるんだ。有難い、あっ、それから、使うなら秋口くらいまでが、有効期限だからね。」
それだけを言うと課長は部屋を出ていった。
うへっ、秋までにゃ倉敷は縮小か閉鎖だわ。
つまり、それまでに形にしろってことね。
「ミキちゃん、聞いたね。倉敷、大変だぜ。まあ、俺は仕上げたら会社を辞めるから、かんまんけどね。」
「辞めるって?うそっ、お父さんと一緒に仕事出来ると思ってたのに!」
ミキが叫ぶように、言葉を投げつけてきた。
「いや、ミキちゃん俺は辞めるけど、俺と仕事は一緒にできるさ。詳しいことはイブに話すよ。」
「辞めても一緒に仕事できるん?知りたい、お父さん。」
少し甘えるように、少し緊張した声でミキが聞いてきた。
「一緒に仕事かぁ、出来るかもしれない。出来ないかもしれない。ただ、一緒にいたいなら、ずっと一緒にいられる。」
「えっ、仕事じゃ無理ってこと?ずっと一緒にいられるって?まさか?娘だから?」
「あぁ、娘だからね。家族は一緒に暮らしたいだろう?だからさ。」
「えっ、うそぅ、ほんま!嬉しい!」
すっとんきょうな声をあげながら、ミキが抱きついてきた。
「ホンマや!イブに来たときに決めような。そろそろ、帰ろうか?」
「えっ、あっ、はい、係長。わかりました。」
そう言うと、軽くウィンクして部屋を出ていった。
俺は課長のくれたファイルを抱え、彼女の足音が遠ざかるのを聞いていた。
どうしたものかと、考えながら自分のデスクに戻りファイルをカバンに詰めながら、三奈と梨華の顔が交互に現れ、俺の頭を混乱させた。
しかし、誰かの視線を感じ、そっちを見ると、ミキが俺の方を期待をこめて見つめていた。
気づかない振りをして課長に、
「それじゃあ課長、お先に失礼します。」
軽く挨拶をして、タイムカードを打った。
タイムカードを戻し、エレベーターに歩き始めると、ハイヒールの靴音が俺を追ってきた。
エレベーターに乗り込むと、俺の後ろから靴音の主が慌てて飛び込んできた。
「お父さん、車ですか?」
えっ、と思ったがミキだった。
驚いたが、
「うん、車だよ。どうしたん?」
思わず、聞き返していた。