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梨華との秘密
第6章 支社長の女
 梨華がキョトンとして、俺たち二人を見ていたが、


「パパ、家を買うって?」


「あぁ、ごめん梨華。うん、詳しいのは、明日話すよ。三人でユッタリ暮らす家さ。転校はしなくていいからね。」


 学校を変わらなくても良いと、わかった瞬間、若い身体と匂いに包まれていた。
 三奈と梨華を送り出し、俺は車で行くか?
 電車で行くか?
 迷っていた。
 しかし、俺は自分の予感を信じることにした。
 車のエンジンをかけ、会社に向かった。
 一時間半ほどで、駅前の駐車場についた。
 携帯をチェックすると、メールが二通届いていた。


「二郎さん、職場につきました。

明日が楽しみです。

今晩淋しいけど、我慢します。

あなたの奴隷、三奈。」


 三奈からだった。
 後で返事することにし、梨華からのメールを開いた。


「パパ、昨日凄すぎちゃったね。

今でも、身体の中を昨日の夜を思い出しちゃうと変になっちゃう。

でも、明日まで我慢します。

愛してるパパ。

パパの娘、梨華。」


 良い娘だ。
 心がまた少し痛んだ。
 メールは後で出すことにして、会社に向かった。
 社長一行の出迎え準備で社内がざわついていたが、まっ、俺には関係ないな。
 しかし、自分のデスクに座る前に課長に呼ばれた。
 ヤバイ!
 こんな日は呼ばれたくない!


「松川係長、悪いね。実は、社長から直々に指示があってね。」


 うわっ、いやな予感的中!
 最悪じゃない方を祈ろう!


「なんでしょう、課長?まさか、社長秘書のお相手じゃないでしょうね?」


 課長の顔が一瞬ニヤリッと笑ったように感じた。
 最悪の予感的中!
 まさか!
 冗談、ポイよ。
 寒気が、俺の身体を駆け抜けた。


「ご名答!ただ、社長直々の指示がだから、社長命令と同じだよ。」


 うっわあ、ズンバ的中!
 ドッギャッンすべかぁ?
 俺の中がパニックだぁ!
 冷静さを装いながら、


「課長、同期だから知ってるでしょ。あっ、わわわっ。」


 回りに人のいるのを思い出し、慌てて口をつぐんだ。


「ん?あぁ、そうだったね。そうだ、うちの課の美澤さんを連れて行きなさい。渡辺君、美澤さんを呼んで来てくれ。」


「あっ、それなら安心しました。わかりました。で、何時ごろからですか?」
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