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大嫌い
第17章 戸惑い
「あの…猪岡花菜子さま、いらっしゃいますか?」
トイレのドアが開き、女性店員さんが顔を覗かせた。
私は慌てて
「は、はい!私です」
返事をしながら立ち上がる。
「ご気分がすぐれないのでは?」
私がしゃがんでいたのを具合が悪いと思ったのか、店員さんが心配そうな顔をする。
「すみません、大丈夫です」
無理やり笑顔をつくると、
「それなら良いのですが…
お連れ様が心配なさって様子を見てきて欲しいと仰って」
そちらでお待ちですとドアの外を手で示した。