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第27章 追跡者・花菜子

扉の影でコソコソやり取りする花菜子達の目の前で、裕太は一部始終を見られているとも知らず大胆にも由羽を抱き締めた。


『ダメだってばー！』
花菜子は扉の向こうへ飛び出そうとする竜雄を止めようとしがみつき、勢いあまって床に重なりあって倒れこむ。

幸い由羽達には気づかれなかったらしく、花菜子は竜雄を押し倒したまま耳を澄ませた。