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大嫌い
第30章 逃亡劇
――――…


「迎えに来るって?」

「うん、今この駅ビルにいるからすぐ来られるってさ」

「え、それって偶然にしては凄くない?」
笹木と若竹は花菜子に聞こえないようにコソコソ話す。

駅ビル屋上のビアガーデンの片隅で、生ビール三口で気分が悪くなった花菜子は、たまたま居合わせた高校教師カップルに介抱されていた。

花菜子が二十歳になって初めて口にしたアルコールは、とてつもなく苦かった。


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