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異端視されし者~★なぜ、彼は逃亡者と化したのか!?
第5章 カオス(混沌として)
「黒石さん…それでは、今から翼の居る病室へ行きますか?
良ければ、車椅子に乗って下さい…。」
幸久は、口を閉ざして頷き、
初めて顔を合わす、
青白い顔が薄気味悪い男性看護師
(ナースマン)
に促されてベッドから車椅子へと映り、
そのまま602号室のドアを開けられ、
VIPルームを後にした。
冷たい廊下へ出た途端、
女島鶏魚医師兼病院医院長の後に続いて、
車椅子へ乗った幸久は、ナースマンが押す。
その心地よさは、
揺りかごのような雰囲気はしない。
特に何も感じない様子で、
うなだれて何も考えない、呼吸法を続けていた。
瀕死の重傷を負ったはずである、
良心的な人間を努めて演じ忘れ、
単純に病院医院長の意思に身を委ね、
従順になるオーラを無意識に発していた。
車椅子で運ばれていく黒石幸久を見届けて、
数人の看護師職員は、