この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
half. ~Sweet blood~
第1章 サヨナラと、出会い…
冷たい鉄の檻に入り
揺れる船に乗り向かう先は日本。
「お前等まだガキのくせに売られるんだろ?可哀想にな、でもまぁ、普通に暮らせねーならしょうがないか」
監視役の男は俺たちを
哀れみの表情で見つめる。
無造作に煙草を押し消すと彼は言う。
「死ねないってのもアレだな。まぁせいぜいいい奴らに買われたら少しはマシなのかもしれねーよ」
港に着きトラックに乗せられた俺たちが向かう先は、物好きが集まるオークション会場。ここで売られていく。
半分人間で半分vampireの血。肌は白く髪は金髪、目は深いブルー。皆10代と若く人形のようななりをしていた。
「さよなら」
一緒に来た奴らが言うんだ。
無表情で涙なんて流さない…
そしてそれぞれ連れていかれた。俺も買われ、そいつの屋敷に着いていく。
《half》俺たちはそう呼ばれる。
halfは買われてそれぞれの生活をするが、それは買う奴らによって変わっていく。
奴隷のように扱われ生きていく者。
見せ物として商売に使われる者。
または、捨てられる者。
なかには、幸せになれる者。
halfの数だけ生き方が違う。
俺を買った奴は…
数日で俺を殺そうとしたがな。
「買ってみたはいいがやはり気味悪いな」
そう言うと刃物を俺に向け迷わず刺した。
いててっ。
でもなぁ…
「俺死なねーよ」
傷は一瞬で塞がり血の一滴すら出ない。
回復能力は純人間の何倍もあるんだから。
痛覚はあるけど死なないんだよ。
そして俺は主に捨てたられた。