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おこごと
第4章 鬱刈色
誰かを救おう、なんておこがましい事だ。
自分は、つっかえ棒程度の事が出来れば十分なのだ。が、それさえも、この学校では難しい。

隼人は、大きく息を吐き出した。

あれ以来、あのアンリという少女に会っていない。いっその事、父親の部屋を訪ねようかとも思った。が、隼人はなかなか出来ずにいた。


授業の終わりを告げる音と共に、ドアが鳴った。
隼人は、ハッとして時計を見る。次の生徒が来るには、まだ早い。

「ちょっと先生、すみませんね。」

身を屈めるようにして、入ってきたのは三年の副担の近藤先生だ。

「先生!!どうなさいました?」
この部屋に近藤先生が入るのは初めてだ。
隼人は少なからず緊張する。
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