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偽装結婚~代理花嫁の恋~
第4章 ★惹かれ合う心たち★
由梨亜は首を振った。
「夕方、病院の売店で花を買ったわ。向日葵と紫陽花、どちらもとてもキレイに見えた。でも、あなたが贈ってくれたバスケットを見たら、自分の買ってきた花が急に色褪せて見えたの。数十本の薔薇の前では、所詮、数本の向日葵と紫陽花は霞んでしまう。そんな貧相な花を後生大事に抱えてきた自分が物凄く惨めに思えたの。その時、考えた。あなたと私の住む世界はこれくらい違うんだって。金持ちの道楽息子が考え出した偽装結婚になんて協力している私はもっと大馬鹿だって」
「夕方、病院の売店で花を買ったわ。向日葵と紫陽花、どちらもとてもキレイに見えた。でも、あなたが贈ってくれたバスケットを見たら、自分の買ってきた花が急に色褪せて見えたの。数十本の薔薇の前では、所詮、数本の向日葵と紫陽花は霞んでしまう。そんな貧相な花を後生大事に抱えてきた自分が物凄く惨めに思えたの。その時、考えた。あなたと私の住む世界はこれくらい違うんだって。金持ちの道楽息子が考え出した偽装結婚になんて協力している私はもっと大馬鹿だって」